JA信州うえだ

ホーム いいJAん!信州の話題 ビニールで地面被覆

JA信州うえだの話題

ビニールで地面被覆

JA信州うえだの話題 2019.09.17

長野県上田市の川上満男さん(66)は、ブドウ「ナガノパープル」の裂果防止策として、使用済みのハウス用ビニールを活用する。園地の地面を全面被覆し、成果を上げている。収穫前の降雨が裂果につながることから、被覆で雨が地面に染み込むのを防ぐ。雨よけのトンネルメッシュ施設も導入している。川上さんは「どこでも通用するとは思わないが、コストもかからないので、試してみる価値はある」と薦める。 県が育成した「ナガノパープル」は、種なしで皮ごと食べられる黒色系品種として人気が高く、今後も需要の拡大が期待されている。一方で、皮が薄く、裂果しやすいという特性がある。 川上さんは、13年前に同品種の栽培を始めた。当初は毎年、裂果に悩まされたが、8年ほど前、サクランボハウスの張り替えで出た使用済みのビニールを園地に敷いたところ、裂果の発生が抑えられることを確認。以降、被覆する時期や敷き方などの試験を重ね、今では安定した効果を上げている。 ビニールは、スピードスプレヤー(SS)が通ると破れてしまうので、最後の防除を済ませてから敷いている。盆前の8月10日前後から収獲が終わるまで、全面を被覆する。 果樹農家の川上さんは今年5月、JA信州うえだの専務理事に就任。約10アールの「ナガノパープル」の栽培は、JA子会社の信州うえだファームに委託したが、休日や出勤前には園地に出て、栽培管理を担当する同社の研修生を指導するなど、技術の継承にも心を砕く。 8月29日には300房を初収穫し、裂果粒も少なく好成績だったとの報告を受けた。川上さんは「このままではナガノパープルが終わってしまう」という危機感を持つ。「裂果した粒を抜いて出荷するのは、何倍もの時間がかかる。栽培しやすいシャインマスカットに植え替える生産者が増えつつある」と心配する。 「誰もせっかく育ててきた木を切りたくはない。裂果を克服し、なんとかナガノパープルの生産を続けたい」との思いを強めている。

お知らせ